受験生の心を元気に!親ができる7つのサポート方法
きっと誰でも一度か二度はあるのではないでしょうか。「もう、やめてしまえ!」と、受験生のサポートを投げ出したくなってしまったこと。言っても、言っても子どもが本気にならない時や、なにかと反抗してくる時に、苛立ちや不安を覚えます。
しかし、ストレスを抱えているのは子どもも一緒。無能感や未熟感、焦りやジェラシー、そして心の中の葛藤。不眠や食欲不振、髪の毛をむしるなど、身体反応に出てしまうことだってあったりします。
親はどう、受験生を支えればいいのでしょうか。ネガティブな連鎖を断ち切るためにも、子どもの心を元気にする関わり方について考えてみましょう。
ストレスのない受験はない
隣の芝生は青く見えるもの。周囲はあんなに頑張っているのに、うちの子は…。思うように進まない受験勉強に、「皆」悩み、焦りを感じています。受験は生き物。どんなに成績がよくても、合格確実!なんて言えず、「皆」緊張いっぱいで過ごしています。
受験にはストレスがつきものです。しかし、そのストレスは期間限定。「悩むのは当然」と割り切り、悩んでいる自分を引き受けていきましょう。
親の役割は、子どもの心を支えること
親の役割は家庭によって異なります。勉強には関わらず「環境作り」のみを行っている家庭、「やる気を引き出す応援団」に専念している家庭、学習指導を含めた「パパママ先生」まで行っている家庭等。子どもの状況をよく見て、何が必要かを考えていく姿勢が必要です。
これらに加えて、必ず担って欲しい役割があります。それは、子どもの心を支えること。長期に渡る受験のプロセスには、さまざまなドラマがあり、心の浮き沈みも激しくなります。他者との競い合いの受験では、ネガティブな気持ちになりがちです。負のスパイラルにハマってしまうと、子どもは自分の力では抜け出せなくなってしまいます。
そんな時には親の出番。受験生の心にポジティブな感情を呼び起こし、心を元気に回復させましょう。心はふとしたきっかけで元気になっていくものです。
受験生の心を元気にする親の関わり7つの工夫
ただ、褒めればいいということではありません。乾いた「すごいね」は、返って子どもを苛立たせます。「大丈夫だよ」と無理に楽観視させようとすれば、「全然わかっていない」と関係性が崩れてしまうことにも。
受験期特有のデリケートな子どもの心にどう寄り添うか。親ができる関わり方を7点ご紹介します。
1.ストレス発散を手伝う
全てのストレスが悪いわけではありません。ストレスがかかることで、緊張感をもって行動できることもよくあります。しかし、大きすぎるストレスは、子どもの身体に悪影響を及ぼすため、発散していく必要があります。
大人ができることは、ストレス発散のお手伝い。気晴らしの時間をとる、気分を変えるために体を動かす等、リラックス法は子どもには思いつきませんので、大人が手伝ってあげるといいですね。寝る前のストレッチが睡眠を深くするかもしれませんし、30分の散歩時間が、心にエネルギーを注入させるかもしれません。
2.強みを見つける
受験勉強は、できないところの克服というスタイルで展開されます。常に見ているのは、自分の課題。しかし、そこばかりを見ていると、気持ちが落ち込み「どうせ無理だ」と、負のスパイラルに陥ってしまうことも。得意な部分を子どもに伝えてあげましょう。
3.将来への希望を語らせる
未来への希望を持てた時に、人は元気になります。受験を終えた自分が、新しい学校でどんな日常を送っているのか、どんな未来を手にしているのか、話す機会をもってみませんか。映像が思い浮かぶような話ができれば、更に効果大です。
4.これまでの頑張りを確認する
やらなければならないことが常に満載なのが、受験です。「もう無理」「絶対間に合わない」、誰でもこんな心境に陥ってしまいます。これまでの蓄積に目を向けるお手伝いをするのはどうでしょう。これまでの道のりに気づくことができれば、「自分も捨てたもんじゃない」と、勇気が湧いてきます。
5.感謝の気持ちを思い起こす
「自分は大事にされている」、こんな気持ちを思い出せば、心は元気を取り戻します。小さいころから祖父母に愛されていたこと。通っている塾の先生が、全力で応援してくれていること。自分は一人ではなく、他者との関わりの中にいることに改めて気づき、「ありがたいな」と感謝の気持ちを持つことができれば、心は元気になりそうです。
6.マインドフルネス
ヨガや瞑想で、心をリラックスさせた経験はありますか?呼吸に集中するだけでも、心が整うとか。時間との戦いの受験ではありますが、だからこそ、有意義な時間の使い方を目指したいものです。時間をかけてゆっくり散歩をする、深い呼吸を意識する。こんな時間を確保することも大切にしてください。Stop and smell the roses.(立ち止まってバラの匂いをかいでみよう)こちらは古くから言われていることわざです。
7.笑い
子どもの笑い声は、家庭にありますか?幼少期の頃には頻繁にあった笑い声は、受験期には聞こえなっているかもしれません。「笑っている場合じゃないでしょ」むしろ、こんな言葉が飛びかっている可能性も。しかし、笑いは心を元気にする特効薬。たまには、家族で声を出して笑いあえる時間を作ってみてください。親の心も元気になるかもしれません。
逃げる必要があるときもある
これらに加えて、一点意識しておいて欲しいことがあります。子どもの心が限界を迎えてしまった時の対応です。例えば、眠れなくなる、食べられなくなる、髪の毛をむしる、自分を傷つけるなどは、子どもからのSOS。
このような場合には、一旦休ませる等、ストレスの要因となるものから逃げる必要があります。状況によっては、専門家に相談してください。日常を共にする親にしか、気づけない側面です。
親だけで頑張ろうとしない
感情は伝染します。私たちの脳は、周囲の感情を捉えて反応するようにできているそうです。周囲が不安そうなら、自分も不安に。周囲が前向きなら、自分も前向きに。周囲が自分にネガティブな感情を抱いていれば防衛的になりますし、自分を心から信じてくれているなら、 応えていきたいと思うもの。ですから、できるだけ親の心も元気に保っておきたいですね。
しかし、親だって人間です。心が折れそうにだって当然なります。だからこそ、ひとりで頑張ろうとせず、誰かに心の内を吐き出してください。塾の先生、近所の人や自分の親。同じく受験を経験した先輩ママ・パパやオンライン上のコミュニティ。自分の心が穏やかになれる居場所を、ご自分のためにも子どものためにも、是非見つけていただきたいと思います。
親にしかできないこともありますが、親だけで頑張ろうとすることには無理があります。頼れるものは上手に利用。きっと「受験をしてよかったね」という未来が待っています。
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