子どもがぐんぐん伸びる夏休みの過ごし方
「長期休みは憂鬱になる」という親御さんも多いのではないでしょうか。理由は様々ですが、共働きの場合は子どもが親の目から離れた状態で家にいることに不安を覚えるようです。
また、長期休みは子どもにとってリズムが崩れやすい時期です。それもあって、親御さんは極力リズムが崩れないように規則正しい生活を子どもに課したいと思っていますが、その通りにはなかなかならず、イライラが募るということもあります。
一方で、長期休みを逆転発想して、「このような時期だからこそ、子どもの成長、学ぶ力を高める機会にしてしまう」と考えることもできます。通常できない体験を増やしていくことはその代表例です。
今回の記事では、長期休みにできる4つのことを提案したいと思います。
1.期間限定でタスクを「見える化」し、成長を実感させていく
これは長期休みなどの期間が限られている時期に行うことが有効的です。やるべきことの「見える化」を手帳などを使って行います。
筆者は「子ども手帳」という子ども向けに開発した手帳を出していますが、それを使ってもらっても結構ですし、カレンダーやホワイトボード、ノートで自作しても大丈夫です。
それらを使って、やるべきことを「見える化」させます。そして終わったら「赤」で消し込みをして、ポイント化させます。すると、自分の成長が「見える化」されていきます。
長期休みをダラダラ過ごしてしまうのは、目標がないことが大きな原因です。とくに小学生は明確な目標がないケースが多く、「宿題をやりなさい!」と言っても、嫌々ながらやるだけで効果が薄いため、やるべきことを「見える化」させて、成長がわかるようにしていきます。
学習だけではありません。生活習慣も、ポイント化させていき、それが達成できたらポイントがどんどん増えるように「見える化」していきます。
夏休みは「サマーキャンペーンで平常の1.5倍のポイント」でやるなど、面白さ、楽しさを演出することで、ある種のイベントにしてしまうこともできます。すると、「やらなければならないこと」ではなく、「やりたいこと」に瞬間的に変わっていきます。
▼子ども手帳に関する詳しい内容はこちら
2.長期休みにしかできない「深掘り」をやる
代表的なことは「探究学習」です。何をやるかといえば、その子が夢中になれることを、時間をかけてやっていきます。
そのためには図書館に行ったり、イベントに参加したりすることが思い浮かぶと思いますが、それらが難しい場合は、インターネットを利用します。動画でもいいでしょう。
経済産業省が推奨する「未来の教室」など、国や行政、民間が探究的学びのための機会やヒントをたくさん出してくれていますので、それらを利用するのでもいいでしょう。子どもの関心分野を深掘りさせる場としていきます。
その際、親が使えるマジックワードは「それってなぜそうなっているの?」「それってどういうことなの?」と聞いてみてください。子どもは説明することでモチベーションが上がり、表現力もついていく場となることでしょう。ついでに自由研究もできてしまいます。
なお、子どもの返答に対して評価はしないようにしてください。評価すると評価のために発言するようになるか、二度と話さないこともありますので、基本的には共感するだけです。
3.基礎学習
基礎学習を心配する親御さんは非常に多いです。基礎学習とは、具体的には漢字、計算などですが、これは長期休みでなくとも、日頃から習慣化させておくといいものです。
しかし、長期休みでは、本来ある学校の授業がないため、これまで毎日基礎学習をやってこなかった子どもも、さすがにやらないといけないという認識が出やすいため、これをきっかけに習慣化させていくといいでしょう。
もちろん、家庭での学習は宿題が優先ですが、それとは別に基礎学習をやっておくといいでしょう。
そこで何をやるかですが、例えば夏休みであれば、1学期で学習した復習をやるか、次学期の予習を行ったらよいかという質問を受けることがあります。
基本的に復習は解ける問題が多いけれど、やる気は起こらないものです。一方の予習は先々の分野が学べるという優越感はありますが、わからない問題があるとモチベーションは一気に低下します。
ですから、塾などで予習を行うというのであれば問題ありませんが、自学自習として学ぶ場合は、基本は復習を中心に行うようにします。
基礎学習は、スポーツでいう筋トレと同じようなものであるため、レベルアップをするというよりは、学力の維持(厳密には上がっていきます)と捉えておいてください。プロのアスリートは、技術を学ぶと同時に、毎日の基礎トレ(筋トレなど)を欠かしません。それが基礎として最も重要なことを知っているからです。
スポーツ選手に例えて、子どもに話をしていくことで理解できる子もいると思います。そして、その基礎学習も1で示したポイント化をしていきます。すると、やればやるだけ成長していることが実感できます。
4.親はこのような時こそ、子どもを「自立させる場」として考えてみる
この4番目が一番重要なことになります。
子どもがまだ小さい場合は、すべての家庭に対して言えることではありませんが、共働きで子どもを家において心配ということもあります。このようなときこそ、自分のことは自分でやるようにしていきます。
例えば、ランチは自分で作るとか、掃除や洗濯の役割分担などです。普段は何もやらない子でも、今回のような事態であれば、分担しながらやることも止むを得ないと考える傾向にあるものです。このように、子どもの自立モデルの時と考えるとよいでしょう。
しかし、単純に「◯◯をやっておいてよね」と言ってもやらないか、やったとしても嫌々ながらやるようになります。ですから、「タスクの見える化」をして、さらにポイントによる「成長の見える化」が大切になります。前述の1のモデルを使っていきます。
そして、最も大切なことは、子どもがやってくれたことが"当たり前"ではないこと、しっかり感謝の念を伝えましょう。「ありがとう」「嬉しい」「助かった」などのマジックワードを使っていきます。すると、子どもが大人になったときに、同じことを言う人になります。
学びは学校の勉強だけではありません。生活の一つひとつから学ぶこと、これがまさに21世紀型教育対応モデルなのです。つまり、「生活の場を学びの場」にしてしまうということです。
以上、長期休みに心がけたい4つのことについてお話してきました。何かヒントになれば幸いです。
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