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計算力アップ!専門家が教える「計算ミス」が激減する練習方法3選

「うちの子は計算ミスが多い」というお悩みをお持ちの親御さんは多いと思います。

この「計算ミス」による影響は、テストのときに間違えた問題で失点するだけではありません。実は、皆さんが思う以上に影響が大きい問題なのです。

計算ミスが多い子は、問題が不正解となったときに「単元の理解不足」が原因なのか、「計算ミス」が原因なのか、わかりづらくなってしまいます。計算を間違えた部分を探したり、解き直しをしたりするため、時間も体力も大きく消費してしまいます。勉強へのモチベーションが低下してしまう子も多いでしょう。

逆に言うと、計算が強くなれば「学習している単元の理解」に集中することができ、学習が進めやすくなるということです。

今回は、計算に強くなるためのトレーニング方法を紹介します。お子さんが学習を効率的に進め、前向きに取り組んでいけるようになるために、ぜひチャレンジしてみてください。


計算は適切なトレーニングで伸ばすことができる

計算力は、決して頭の回転や集中力など「目に見えない」要素だけではありません。

もともと計算が苦手な子でも、式の書き方や計算方法を工夫することにより、計算ミスを減らしたり、スピードを向上させたりすることができます。

逆に言うと「気をつける」など精神論だけで計算に強くなろうとするのは、難しいケースも多いでしょう。そういった声かけをしてしまうと、むしろお子さんが「どう気をつけたら良いかわからない」とストレスを感じてしまったり、ムキになってしまうことで逆に計算ミスが増えてしまったりする原因にもなってしまいます。

適切なトレーニングで「計算に強くなる手順」を身につけていくのがおすすめです。

計算のおすすめトレーニング方法

ここからは計算に強くなるための具体的なトレーニング方法を紹介します。

最初は少し面倒くさがってしまうかもしれませんが、慣れればストレスなくできるようになります。ぜひ、お子さんに伝えてあげてください。


1.式の書き方のルールを決める

計算に強い子は、同じ問題に何度取り組んだとしても、同じ途中式となります。逆に、計算ミスの多い子は、毎回異なる途中式を書きがちです。

「自分はこのようなルールで記述する」というルールを言語化し、整えておくことが大切です。

お子さんごとに適切なルールは異なりますが、ポイントの例としては以下のようなものがあります。

・どのような計算は暗算し、どのような計算は途中式を書くか
・約分するときは、どういった順番で約分するか
・どこまで書いたら改行するか

計算練習の状況をチェックするときに見るべきなのは、「最後の答えが合っているか」だけではありません。お子さんと一緒に「途中式が一定のルールに従い記述できているか」といった点も確認していけると良いでしょう。


2.ノートを適切に使う

計算ミスをする子に多いのは、式や計算結果の間がせまく、くっついてしまっているというもの。また、文字や数字が小さくなってしまっている場合もあります。

このようなノートは、非常に計算ミスを引き起こしやすい状態です。自分の書いた文字の見間違いをしたり、もし見間違いをしなかったとしても「これは何と書いてあるのだろう」と考えたりすることで、計算に割くべき集中力が乱されてしまいます。

逆に、式と式の間が大きく空いているなど、無駄な使い方も禁物です。極端な子だと、式がノートのいたるところに書かれていて、順番がわからないこともあります。ノートの罫線を活用しながら、適切な間隔で記述するよう、お子さんに促してあげましょう。

私がおすすめするノートの書き方のポイント例をご紹介します。

・式は左詰めで書く
・ひっ算など自分用のメモが必要な場合はページの右側を使う
・式と式の間は1行あける
・分数を書く時は2行使う(分母と分子で1行ずつ使う)
・次の問題に進むときは2行あける

上記の通りでなくても大丈夫ですので、参考にしつつ、お子さんなりの「計算ミスをしづらい書き方」を作っていけると良いでしょう。


3.基本的な計算問題で練習する

実際に練習するときには、まず「計算のみ」に特化した練習問題に取り組むのがおすすめです。

小学生であれば「計算問題や逆算の問題」、また中高生であれば「正負の計算」「展開・約分・通分を含む文字式の計算」といった問題で練習を積むのがおすすめです。数学だけでなく、他の科目でも必要な計算の基礎を鍛えることができます。

いずれも、計算練習に特化した問題集などもありますので、活用してみると良いでしょう。

取り組むときは、最初はスピードを気にしないようにするのがおすすめです。早く解くことよりも(1)で決めた「計算のルール」と(2)で決めた「ノートの書き方」で正確に解くことが大切です。

それができるようになった後、書き方を変えないようにしながら、少しずつスピードを上げていけると良いでしょう。


まとめ

今回は計算に強くなるためのトレーニング方法を紹介しました。計算力は、集中力や精神的な要因だけでなく、技術を身につけ、高めていくことができます。算数・数学だけでなく、理科など幅広い科目に影響する力ですので、早めから少しずつ鍛えていけると良いですね。

執筆:杉本 啓太さん
家庭教師/家庭学習コンサルタント。
灘中高、東京大学を経て、外資コンサルティングファームに勤務。戦略コンサルタントと並行して、家庭教師として活動。その後、家庭教師として独立。2023年家庭学習コンサルティングを手掛ける株式会社ORA-Trio設立。
プロ家庭教師として、120人以上を指導。学科指導に加え、学習の計画策定・生徒の気質や性格面・親の関わり方など、抽象的な課題の対策立案・解決を得意とする。また、模試結果から子どもの癖・改善点を分析、アドバイスを行うサービスを展開。これまで250本以上の分析を実施し、成績向上・志望校合格に貢献する。

執筆・メディア出演
マイナビ「中学受験ナビ」連載
NewsPicks ビジネストーク番組OFFRECO など

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