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反抗期の子に"気づき"を与える言葉かけ7選

親にはツライ子どもの反抗期。しかし、もっと困っているのは子どもかもしれません。

こじらせずに反抗期を超え、新たな親子関係を迎えるために、家庭でできることを考えていきましょう。モヤモヤを脱するためには、出口が必要です。

今回は子どもに気づきを与える言葉かけ7選をご紹介します。 


反抗期の子どもの様相

反抗期には、第一次反抗期(自分でやりたいという自己主張が生まれる2〜3歳ころ)と、第二次反抗期(自立心が芽生え、自分の価値観を確立していく時期)があります。

特に第二次反抗期は、親には見えない「自分の世界」が広がるため、関わりが悩ましい時期。本コラムでは、第二次反抗期を「反抗期」として取り上げていきます。

何を言っても反発してきたり、そうかと思ったら無視が始まったり、今度は突然甘えてくる。自分の内で起こる急激な変化に、反抗期の子どもは混乱しています。

感情の起伏が激しいこの時期は、コミュニケーション自体に難しさを感じることも多いはず。友人関係で悩み、進路で迷い、自分への否定から自分を傷つけてしまうこともあり、親子で行き場のない不安を抱えることも、少なくはありません。

反抗期にこそ求められる関わり方の工夫

混乱している相手への対応には、冷静さが必要です。感情的にならずに子どもの話を聴くことが、一丁目一番地。無理やり大人の価値観に添わせようとしてもうまくいきません。親を一層避けるか、隠れたところで反発をするようになってしまいます。

反抗することを否定するのもタブーです。その反抗は、必要な主張だからです。当然ですが、ダメなことには、はっきりとダメと言う必要があります。憎まれ役を買って出ても、教えるべきことはしっかり教えます。

また、本人は子どもであっても、社会からは大人として見られる時期。子どもには対応できない危険もあるため、目を離さずにいなければなりません。

とはいえ、SNSを始めとして、見えないこと、話さないことがほとんどでしょうから、非言語も含め察していくことも大切です。

やりすぎてもいけない、引きすぎてもいけない、大変「さじ加減」が難しい時期ですが、反抗期は子どもにとって必要な成長の時期。子どもの変化を肯定的に受け止めていきましょう。変化の受け止め方次第で、その後の成長、親子の関係性は変わります。

反抗期の子どもに気づきを与える言葉かけ7選

親が憎くて反抗しているわけではないのです。困っているからそんな態度をとってしまうのです。子どもを尊重すること子どもが決める余白を残すことを意識すると、上手な加減ができるかもしれません。

大前提は、子どもが話しやすい環境を作ること。その上で、言葉かけに変化をつけるのはおすすめです。反抗期の子どもに「気づき」を与える言葉かけを紹介しましょう。

1.「なるほど、そういうこともあるね」

共感的傾聴で言葉の裏側にあるメッセージを聴く

言葉で表現されるのは、氷山の一角です。言葉の裏側には、様々な思いが隠れています。特に反抗期には、言葉数が少なくなる傾向に。「察する」を意識し、共感的に聴くことを意識しましょう。

「なるほど、そういうこともあるよね」「そういう気持ちになることだってあるよね」は、「あなたに共感するよ」というメッセージ。共感してもらうことで、子どもの心は少しだけラクになりそうです。反抗期の子どもが欲しいのは、解決策ではありません。わかってくれる人の存在です。

2.「お母さんの考えを言ってもいい?」

自分の意見は確認を取ってから

この時期の子どもは、指示されるのを嫌がります。その上、ちょっとした意見を自分への否定と勘違いしてしまいます。

不要なぶつかり合いを避け、伝えたい言葉を届けるために、前置き言葉を活用しましょう。「お母さんの考えを言ってもいい?」と。

我が子であっても一人の他人、許可をとってから自分の意見を発します。「確認」は、自分が尊重されているという気持ちにつながり、「聞いてみようかな」を引き出します。

3.「あなたは◯◯と感じているのね」

気持ちの代弁で子どもの気持ちに寄り添う

気持ちの代弁は、「理解しているよ」というメッセージ。例えば、ひどく落ち込んだ時、「いつまでも落ち込んでいないで、早く元気になって」と言われたところで、きっと気持ちは回復しないでしょう。

一方、「辛いよね」と、心の内を言葉にしてもらえれば、ふっと心が軽くなります。「悔しかったね」「悩むよね」と気持ちを代弁してもらうことで、心の中がすっきりするとともに、理解者の存在で、不安が払拭されそうです。

4.「そのためにはどうする?」

質問で思考の整理を手伝う

他者からの助言が耳に入らない相手に「気づき」を与えるには、質問が大活躍。自分でもどうしていいのかわからず、感情のコントロールもできなくなっている子どもの思考を、交通整理してあげましょう。

「そのためにどうする?」と問われると、「具体的行動」を考えるスイッチが入り、様々な情報が整理されます。「なぜ、できないの」と否定的に聞くのではなく、「どうすれば?」と肯定的に問うのがおすすめです。

5.「他には?それから?」

スライドアウトで、ありったけ語ってもらう

タスクに追われる慌ただしい日々、考えなくても暮らせる便利な生活。反抗期に限ったことではありませんが、今どきの子どもは、考えることから遠ざかっているかもしれません。

そこで試して頂きたいのが、スライドアウトという技術です。アイディアを次々引き出すイメージで、「他には?」と聞いていきます。

例えば、投げかけた質問に対して、子どもが「◯◯」と答えたとしましょう。そこで終わらせずに、もう一度「他には?」と質問します。答えは一つではありません。子ども自身も気づいていなかったような素敵なアイディアを、どんどん引っ張り出していきましょう。

6.「それができたらどうなる?」

質問で、未来をイメージする

子どもが復習していると安心しませんか。課題を見つけて解決している姿は、「頑張っている」姿に見えるもの。もちろん、何か強い目標がある場合には、課題をつぶしながら進むこともできるのでしょうが、反抗期は、見通しがたちにくい時期。未来をイメージさせてみてはどうでしょう

「それができたらどうなる?」という質問が役立ちます。「もしも」をつければ、更に答えやすい質問に。不透明な未来に、何か1つでも素敵な景色が見えれば、前向きな気持ちが湧いてきそうです。

7.「お願いできる?」

お願いで子どもを動かす

気分が乗らない時の特効薬は、「身体を動かす」こと。心を閉ざす日々を脱して、なんとか気分をリフレッシュしてもらいたいものです。とはいえ、指示や助言に全力で抵抗してくるのが、この時期の子どもです。「お願い」に切り替えましょう。

どれだけ反抗していても、誰かの役に立つのは気分がいいこと。「ちょっと手伝ってくれる?」と、お願いをして「動いて」もらう。そして御礼を伝える。気分転換はもちろん、実際に助かることもたくさんありそうです。

反抗期から始まる親子の新しい関係性

反抗期を経験することで、親は子どもを一人の人間として尊重すること、子どもには子どもの人生があることを学びます。

親子の関係は、相互尊重、相互補完の関係です。家庭という安心安全な場を共に構成する一員として、未来社会を創造する同志として、反抗期を起点に、新たな親子の関係性に向かっていってくださいね。

執筆:江藤 真規さん
株式会社サイタコーディネーション代表。
自身も子育て経験を持つ二児の母で、お子さんは姉妹共に東大現役合格。
現在はエデュケーショナルコーチとして保護者、教職員・保育者を対象に、コーチングに関する講演・セミナー、執筆活動を行う。
文部科学省「男女共同参画推進のための学び・キャリア形成に関する有識者会議」の委員も務め、共働きに関する知見も深い。

著書
『勉強ができる子の育て方』
『合格力コーチング』
『子どもを育てる魔法の言い換え辞典』
『母親が知らないとツライ「女の子」の育て方』

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