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中学生の子に親が「勉強しなさい」と言ってはいけない理由

「あなたのために言ってあげているのよ」

確かにそうなのです。
放っておけばいいのに、あなたが大切だから、あなたのために教えてあげているのです。勉強がどれだけ大切かということを。

しかし、親の声は子どもが成長するにつれ、徐々に行き場を失ってしまいます。特に思春期には。中学生の子育てについて考えていきましょう。


コミュニケーションは「相手に伝わったこと」がゴール

親「勉強しなさい」
子「わかってる」
親「早くしなさい」
子「わかっているって!もう少ししたらやる」
親「まだやってないじゃない」
子「うるさいな!」

どこの家庭にもありそうな親子のやり取りです。

しかし客観的に見てみると、「子どものため」を起点とした親の言葉が、両者の関係悪化に辿りついてしまったことがわかります。
思いを言葉にのせる難しさは、子育てをしてきた人なら、きっと誰しもが経験済でしょう。

思いから一旦離れ、コミュニケーションとして親子のやり取りを捉えてみます。

コミュニケーションのゴールは「相手に何が伝わったか」。私が「何を言ったか」ではありません。
ですから、伝える側は、相手の様子を見ながら、相手の理解を確かめながら、相手の気持ちを汲み取りながら、伝えたいメッセージを届けていく必要があるのです。

しかし、相手が我が子となった場合、“いちいち”上記のプロセスを踏まずに私たちは言葉を発してしまいます。

だって親子なんだから。だって忙しいから。

しかし、「伝わらない」と感じた時には、少しだけ立ち止まって「どう伝わっているか」を考えてみてはいかがでしょう。

「勉強しなさい」は、「あなたはやっていない」と伝わっているかもしれません。「怠けている」「またサボっている」、更には「あなたはダメ」と伝わっていたとしたら…。本来の思いとはかけ離れてしまいます。

中学生の子に親が「勉強しなさい」と言ってはいけない理由

1.自信を失わせてしまう

思春期真っ只中の中学生。
子どもと大人を行き来している本人の心の中には、さまざまな葛藤や難しさがあるものです。とてもデリケートな時期なのです。

友だちからのちょっとした言葉が、気になって仕方ないかもしれません。思うようにならない塾の成績に、無力感を感じているかもしれません。

そんな時に、一方的に届けられる「勉強しなさい」という言葉は、「だからあなたはダメなのよ」と伝わってしまうかもしれません。
子どもは自信を失います。

2.居場所がなくなる

子どもにとって親は自分を守ってくれる大切な存在です。

しかし、心理的にも社会的にも大人に移行する時期には、親に守ってもらう場面も減り、子どもは何でも自分でできるような気持ちに。
家庭外での繋がりが膨らむことも、自由にしたいという気持ちを高めます。

このような時期における、「勉強しなさい」という指示言葉は、「信じてもらえない」という誤解を生み出してしまうかもしれません。

一時的に信頼関係が薄れ、家庭が自分の居場所と感じられなくなってしまっては大変です。

3.他責思考になる

子どもの発達は、一人ひとり異なります。
中学生になったからと言って、皆が親から心理的に自立するわけではありません。「勉強しなさい」に、抵抗なく従っている子どももいるでしょう。

しかし、親が絶対という価値観が子どもの中に定着してしまうのは、少し問題かもしれません。

「親の言う通り」は、子どもから考える機会を奪います。
「お父さんが言ったから」は、時として「お父さんのせいだ」と、他責思考を生み出します。自立とは逆方向の成長です。

コントロール型子育てから脱するための工夫

親として子どもに伝えなければならないことはたくさんあります。
特に結果に向けて今すぐに動いてほしいとなれば、「〇〇しなさい」というコントロール型子育てに走ってしまいます。

しかし、コントロール型子育てには限界があります。
また、親が子どもをコントロールし続けるべきでもありません。私たちもそうであるように、人生とは自分で生き抜いていくものだからです。

習慣化され、特に考えもせずに発している「勉強しなさい」という言葉。
しかしこの言葉がもたらす弊害の可能性も意識し、少しだけ工夫を加えてみてはどうでしょう。

「勉強しなさい」を、「お母さんは今勉強するのが良いと思うよ」とIメッセージに置き換えるだけでも、子どもが考える余白が生まれます。

「疲れているよね」と、共感的に寄り添うメッセージを冒頭につければ、子どもの受け取り方が変わります。家庭は居場所であり続けるでしょう。

「勉強しなさい」と言う前に、「本当に勉強していないのか」と親自身が考える姿勢も必要です。
私たちは子どものことを「〇〇に決まっている」と思い込み、決めつけてしまっているからです。 

子育てには、幾つかのステージがあると感じます。
そして、子どもが変化するタイミングが、まさしくステージが変わる子育ての転機かもしれません。

コントロール型子育てから、相互尊重の親子関係に。子どもを信じる気持ちは、きっと絶対に伝わっているはずです。

執筆:江藤 真規さん
株式会社サイタコーディネーション代表。
自身も子育て経験を持つ二児の母で、お子さんは姉妹共に東大現役合格。
現在はエデュケーショナルコーチとして保護者、教職員・保育者を対象に、コーチングに関する講演・セミナー、執筆活動を行う。
文部科学省「男女共同参画推進のための学び・キャリア形成に関する有識者会議」の委員も務め、共働きに関する知見も深い。

著書
『勉強ができる子の育て方』
『合格力コーチング』
『子どもを育てる魔法の言い換え辞典』
『母親が知らないとツライ「女の子」の育て方』

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