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北海道公立高校入試、合格のカギは「1・2年生の過ごし方」

お子さんの受験というのは、保護者の方にとっても一大イベントですよね。初めてのお子さんで受験経験がない方であればなおさらでしょう。
高校受験は都道府県によってその方法が異なったり、制度が変わったりすることもあり、ご自身の経験が生かせないのも悩ましいポイントです。

高校受験を不安に感じている方や、早めに情報収集をしたいと思っている方のために、この記事では北海道の公立高校入試の流れや合否の仕組みについてお伝えします。時期別の勉強方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。


他の都府県と北海道の入試制度の違い

先ほどもお伝えしたように、公立高校入試は都道府県によってその制度がまったく異なります。
中でも北海道の公立高校入試として特徴的なのは、内申点の仕組みです。3年生だけではなく、1年生や2年生の内申点も高い配分で入試に考慮されることやその計算方法がややこしいこと、内申ランクというものが存在することなど、他の都府県に比べると複雑で厳しい仕組みとなっています。

受験がまだまだ先だからと油断せず、早いうちからしっかりと内申点について意識しておくことが必要です。内申点の計算方法など、詳しいことは後ほどご説明しますので、ここでは北海道の特徴として押さえておいてもらえればと思います。

親世代とはまったく異なる高校入試

北海道の入試制度は2022(令和4)年度から大きく変わりました。保護者さんの世代の入試制度とも異なる点があるかと思いますので、参考にしてみてくださいね。

筆記試験が500点満点に

一般入試の筆記試験の点数が300点満点から500点満点へと変更になりました。今までは5教科がそれぞれ60点満点でしたが、2022年度以降は100点満点となったのです。
100点満点となったからと言って合否判定における学力点と内申点の比率が変わるわけではありません。(詳しくは後述する「合否判定の仕組み」をご参照ください。)
影響を受けるのは、各問題の点数配分です。点数配分が変わることで、問題数が増えたり、今までにはなかったような形式の問題が出題されたりする可能性があります。そうなると時間配分に戸惑ってしまう生徒さんも多いでしょう。まだ変更してから間もないこともあり、過去問題が集まっていないため、対策が立てづらいというのも懸念点ですね。

入試問題の一本化

今までは主にレベルの高い学校のみで国数英の3教科で応用力を重視した「裁量問題」が出題されていましたが、それが廃止されて入試問題が一本化されました。全員が同じ問題を解くようになったため、出題される問題も基本問題から応用問題までバランスのよいものとなっています。

偏差値の高い学校を受験する場合は、他の受験生と差をつけるため基礎を固めておくことはもちろん、難易度の高い問題まで解けるようにしておくことが大切になりますね。

思考力・判断力・表現力が問われる出題

北海道教育委員会は「基礎的・基本的な知識及び技能の習得とともに、思考力・判断力・表現力などについてもバランスよく問うことに留意し、知識及び技能を活用する力に関する出題の充実に配慮する必要がある」との方針を示しています。

つまり、高校側は習ったことをそのまま使うのではなく、自分の頭で考えて応用することのできる生徒を求めているということでしょう。

北海道公立高校入試の流れ

まずは北海道公立高校入試の流れをご紹介します。時期も合わせてお伝えしますので、ぜひイメージしながら読んでみてください。

1.出願:1月中旬

出願とは、願書を志望高校に提出することです。一般入試・推薦入試ともに同じ日程となっています。

2.出願変更受付:1月下旬から2月上旬

出願変更受付とは、1月下旬に発表される出願状況や倍率を見て出願先の変更をすることです。これは必ずしも全員がするわけではありません。出願先の変更ができるのは一般入試のみとなっています。

3.推薦入試実施:2月初旬

推薦入試は一般入試よりも1ヶ月ほど早く実施されます。

4.推薦入試の合格内定通知の発送:推薦入試から1週間後

推薦入試から1週間ほどで合格・不合格の通知が届きます。
合格した場合、2月下旬までに入学確約書を提出します。不合格であった場合、一般入試への再出願が可能です。

5.一般入試実施:3月初旬

一般入試は北海道内のすべての高校において、同じ日程で実施されます。

6.一般入試の合格発表:一般入試から2週間前後

合格者の受験番号が各学校にて掲示されます。現在は各学校のホームページでも結果が確認できるようになっています。

7.第二次募集受付:3月下旬

入学者が募集人数に満たない場合、二次募集が行われる可能性もあります。詳細は3月下旬ごろに新聞や北海道教育員会のホームページにて発表されます。二次募集では一般入試の結果をもとに選考が行われるため、試験はありません。

一般入試と推薦入試

北海道の高校入試には「一般入試(一般入学者選抜)」と「推薦入試(推薦入学者選抜)」があります。

一般入試

一般入試当日は、5教科の筆記試験が実施されます。それぞれ100点満点の計500点満点となります。学校や学科によっては、加えて面接や実技試験が行われることもあります。
選抜は、筆記試験や面接、実技試験の結果と事前に提出されている内申書をもとに行われます。

推薦入試

2023(令和5)年度の入試から、推薦入試は自己推薦方式に変更となりました。今までは中学校長の推薦が必要でしたが、それが不要となったのは大きな変化と言えるでしょう。
当日の試験内容として、どの学校でも共通して行われるのが面接です。学校や学科によっては「英文聞き取り」「英語による問答」「作文」「実技」などが追加で実施されることもあります。推薦入試は一般入試とは違い、5教科の筆記試験が実施されないことが特徴的ですね。
合否は、内申書や自己推薦書、当日の面接などの結果から総合的に判断されます。

学力点と内申点

高校受験では、当日の筆記試験の点数である「学力点」に加えて、「内申点」も選抜の評価対象になります。ここでは内申点について詳しくお伝えします。

内申点

内申点とは「評定」をもとに計算された点数であり、内申書に記載されています。
評定は普段の授業態度や成績を踏まえて中学校の先生が決定します。こちらは5段階の数字で表されており、学年末に受け取る成績表の結果と同じものです。

内申点の計算方法は都道府県によって異なります。北海道の計算方法は下の表にまとめている通りで、全部で315点満点となっています。
配分が大きいのは中学3年生ですが、序盤でもお伝えしたように北海道では1年生や2年生の点数も選抜の対象となることが大きな特徴です。
さらに北海道独自の仕組みとして内申点を20点ごとに区切った「内申ランク」というものがあり、これを元に志望校を決めることもあります。

合否判定の仕組み

先ほどお伝えしたように、一般入試の合否は「学力点」と「内申点」によって決まります。ただ、その比率は都道府県ごとに異なるため注意が必要です。北海道の合否判定の仕組みは以下のようになっています。

  • 定員の70%:学力点と内申点を同等に評価

  • 定員の15%:学力点をより重視

  • 定員の15%:内申点をより重視

なんだか難しく思えてしまうかもしれませんが、要するに学力点と内申点のバランスが悪い場合、点数が良い方の比率を大きくして選抜してもらえるということですね。例えば「内申点は良いが、学力点が低い」といった場合、内申点をより重視して選抜を行ってもらえる可能性があるのです。
「より重視」とありますが、その比率は高校によって異なります。具体的な比率は例年6月ごろに発表されますので、ホームページなどで確認してみてください。

学区制度

北海道は19の学区に分かれており、普通科の場合は、学区内の高校に通うよう定められています。普通科以外の専門学科の場合はとくに学区の制限はなく、道内全域からの通学が可能です。
ただし学区に関しては例外もあります。気になる方は以下を参考にしてみてくださいね。

時期別の入試対策

ここでは時期に応じてできる入試対策をお伝えします。受験対策はなるべく早く始めるに越したことはないでしょう。受験なんてまだまだ先だと油断せず、ぜひ今できることから始めてみてくださいね。

中学1年生:勉強する習慣をつけて基礎を固める

中学校では、小学校に比べると一気に学習の難易度が上がります。さらに中学1年生の内容は2年生、3年生で学ぶことの基礎になってくるため侮れません。
この段階でしっかりと基礎を固めておけば、2年生、3年生になった時に苦労せずに済みますよ。この時期からしっかりと勉強をする習慣をつけておくようにしましょう。

中学2年生:定期テストを大切にする

中学2年生は部活動でも主翼を担うようになったりと、学校生活がより一層充実して忙しくなってくる時期です。
とはいえ、北海道では1年生や2年生の成績も内申点として受験に関わってきますので、定期テストの勉強は怠らないようにしましょう。テスト前は部活動も休みになることが多いので、その時期をうまく活用できるとよいですね。

中学3年生春:志望校を決める

この頃になると志望校や受験方法(一般入試・推薦入試)を意識する人が増えてきます。三者面談なども始まってくる時期ですね。
北海道では学校や学科によって受験の内容が異なってきます。志望校を決めた上で自分なりの目標や対策を立ててみてはいかがでしょうか。

中学3年生夏:総復習をする

中学3年生の夏に部活動の引退を迎えることも多く、学年全体が受験モードに変わってくる時期です。まさに夏休みの過ごし方が受験結果を左右すると言っても過言ではないでしょう。実際、夏休みで一気に成績が伸びたという話もよく聞きます。
まとまった時間がとれる夏休みは、今まで習ったことの総復習に取り組むのがおすすめです。

中学3年生冬:過去問題に取り組む

復習が終わりきっていない状態で過去問題に取り組み始めると、思ったように問題が解けず、自信がなくなったり不安になったりしてしまうこともあります。
そのため、過去問題に取り組み始めるのは冬休み頃がよいでしょう。最低でも3年分、可能であれば5年分ほど挑戦してみるのがおすすめです。

まとめ

この記事では北海道の公立高校入試について、流れや仕組みをお伝えしました。
学区で入学する学校が決まっていた中学校とは違い、高校は入学試験を経て合格した学校に入学します。進学する高校によって、その後の将来も大きく変わってくることを考えると、高校受験というのは人生の大きな節目とも言えるでしょう。

そんな公立高校受験は都道府県によって制度が大きく異なっており、北海道は内申点が複雑で厳しいことが特徴的でした。1年生、2年生の内申点も影響するため、低学年のうちから受験を意識できるかどうかが合否に関わってきます。
勉強の習慣づけや定期テスト対策、情報収集など、ぜひ今のうちからできることを始めてみてくださいね。

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