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成績がぐんと伸びる!誰でもできる"正しい"英語の勉強法

【質問】
中学2年生の子どもがいます。中学生になってからここまで、英語の成績がよくありませんでした。本人はしっかり勉強をしていると言っていますが、点数が伸びません。英語のセンスがないのでしょうか。勉強しても英語の点数が伸びない子はどうすればいいでしょうか。

山崎さん(仮名)

いくら勉強しても伸びないのはつらいですよね。ただ、このような子はすぐに伸ばすことができます。なぜなら、モチベーションはすでにあるため、後は正しい勉強の手順を知ればいいだけだからです。

世の中には、語学のセンスを持っている人もたくさんおり、そのような人は英語の文章を見るだけで頭に入ってしまうようです。音感も良く、発音もすぐにマスターしますし、羨ましい限りです。

しかし、学校の英語のテストで高得点を取るためには、センスがあろうがなかろうが関係ありません。これまで筆者は4500人以上の子どもたちを直接指導してきましたが、一定の手順さえ踏めば確実に点数が伸びたからです。


テストの点数が上がる英語学習の3ステップ

では、一体どうすればできるようになるのか、その方法について簡単に説明をしておきます。

ステップ1.各レッスンの音読20回
黙読はほとんど効果がないが、多くの生徒が黙読している。しかも繰り返さない。
ステップ2.教科書準拠の問題集を3回転させる
学校で配布されていれば、その問題集を使う。
ステップ3.新出単語は最後に覚える
音読前に覚えようとすると、すべて無駄になる。

学校が出す試験のタイプによって異なることは多少ありますが、この3つは必須原則であり、特に音読作業を入れることで間違いなく点数は上がります。ではそれぞれのステップを具体的に説明します。

ステップ1.各レッスンの音読20回

手順1
1行音読して、その日本語訳を見る。
これを繰り返してレッスンの最後まで進める。
手順2
すぐにレッスン先頭まで戻り2回転目を始める。
今度は音読して、日本語の意味がわからない文のみ訳を見る。
手順3
3回転目以降も意味がわからない文のみ訳を見て確認。
その後、4回転目、5回転目と進める。
手順4
英語を音読して意味が取れるようになるが、20回転目まで続ける。
一気にやる必要はないが、必ず20回の音読まで実行する。

音読を行うと、目・耳・口という五感の内の3つの器官を使うため、黙読と比べると定着率が高いという現象が起こります。目からは英文の形が入り、耳で音という形で入り、口は発音するときの口の形でインプットされていきます。テストでは穴埋め問題がありますが、口が覚えているので、すらすらと言えてしまいます。

この20回音読ですが、人により回数に差があると思いますが、これまでの調査では15回音読では効果はそれほどなく、やはり20回から効果を発揮しました。逆に言えば、20回以上は必要ありません。20回と聞くと「そんなにたくさんやるの?」と思うかもしれませんが、中学校の教科書は文章量が少ないため、すぐに終わります。

ステップ2.教科書準拠の問題集を3回転させる

そして、次は問題集です。文法問題含め、問題を実際に解いてテストしなければ成果がわかりません。ただ、問題集の大切なことは、間違えた問題を繰り返し、3回転させることです。繰り返さないと、問題集の効果はまったくありません。

できない生徒は、1回解いて、丸付けをしてお終いということをやります。これでは記憶されていないため1回だけなら、やってもやらなくても同じです。

問題集は1回目はすべて解きます。そして間違えた問題にチェックをいれます。このとき、チェックの方法はどのような形でもよいですが、筆者がおすすめするのは蛍光ペンチェックです。蛍光ペンは全部で3色用意しておきます。1回目で間違えたら、「青」と決めておきます(色は何でも構いません)。

そして、2回目は1回目に間違えた「青」問題だけを行います。2回目も間違えたら、「青」の横に「緑」をつけます。そして3回目は2回目に間違えた「緑」問題だけを行います。それでも間違えたら今度は「赤」つけます。

このように色で表示することで、自分が何回間違えたのかがひと目でわかるようになります。なお、ここからが大切なのですが、3回間違えた問題が「テストに出ると間違える問題」です。ですから、この3回間違え問題をあぶり出すために問題集はやっていると考えてください。その問題はテストに出やすい問題でもあるので、テスト前にそれだけをもう一度インプットするだけでも点数につながります。

ステップ3.新出単語は最後に覚える

「英語は単語が重要」というのは、ある意味正しいです。しかし、どのようにして単語をインプットするかはさらに重要なことなのです。

新しいレッスンが始まって、はじめに新出単語を覚え、それから本文を勉強するという方法が一般的ですが、初めて見る単語をただやみくもに覚えても、頭にはなかなか入りません。そのような方法をやっていると「英語=単語を覚える=嫌悪感」という構造ができあがってしまい、いつしか英語から足が遠のきます。

では、どうすればいいでしょうか。単語を覚えるのは、音読20回が終了し、問題集3回転が終わった後に行うのです。はじめに新出単語を覚えることをやってはいけません。いたずらに脳に負荷がかかるだけなのです。

音読を20回すれば、新出単語は自然と形が目から入り(さらに発音もしているので)、音読終了後は何となく記憶されています。また、その後の問題集でその単語は何度も出てくるので、新出単語ではなく馴染みのある単語になります。

その結果、この段階で新出単語(馴染みのある単語)だけをピックアップし、確認の意味で自作単語テストを行います。これまで筆者が調査したところでは、このような方法で行った場合、新出単語の単語テストの正答率は60~70%になります。

つまり、音読と問題集を経ているため、初回のテストの段階から、すでに60~70%はできている状態になるということです。知らない単語をすべて覚える場合の負担と、何度か目にしてうろ覚えだった単語(30~40%分)だけを覚える場合の負担では、随分と異なるのです。これによって時間の節約だけでなく、英語に対する嫌悪感が減少し、楽しくなっていくという「副産物」まで付いてきます。

以上のように、勉強には科目毎に手順があります。この手順を外しさえしなければ誰でもできるようになりますので、ぜひお子さんに伝えてあげてください。

執筆:石田 勝紀さん
20歳で起業し学習塾を作って以来、4000人以上の子どもたちを直接指導し教育に35年以上携わる。35歳で東京の私立中高一貫校の経営者として生徒数1600人の学校の立て直しを行う。
東洋経済オンラインの連載執筆は230回以上、カフェスタイル勉強会「Mama Café」を毎年全国で130回以上実施。音声配信Voicyで子育て・教育相談の回答を1200日連続配信している。TV、新聞、雑誌などメディア出演多数。書籍は25冊出版。

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