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"計画的に"勉強を進めるスケジュールの立て方

中学校に進学するタイミングで、「自分で計画的に学習するようになってほしい」と考える親御さんは多いのではないでしょうか。

お子さんが小学生の間は親御さんが学習計画を立てたり、進み具合をチェックしたりするご家庭も多いかもしれません。ところが、中高生になるとそのような管理も難しくなってきます。

なぜなら、テストやレポートの日程・範囲などは基本的にお子さんにのみ伝達されることが多いからです。つまり親御さんが学校の学習内容をすべて把握するのは難しいということですね。そのため、お子さん自身が計画を立て、学習を進められるようになることが大切になります。

また「スケジュールを立てる」という能力は学校の勉強に限らず、大学受験や社会人になった後も非常に大切な能力となります。なるべく早い段階から、少しずつトレーニングしていきたいところですね。

今回の記事では、学習スケジュールを作ることが重要である理由、そして学習スケジュールを立てるときのポイントについて解説していきます。


なぜ学習スケジュールが重要か

1.時間の使い方を明確にできる

学習スケジュールが大切である理由の1つ目は、「時間の使い方を明確にできる」ことです。

もしスケジュールを立てず「いつ何を行うのか」を決めておかないと、期限に間に合うのか、時間は足りるのか、などを把握できません。実際に進めてみると、「試験の前日やレポートの提出期限になってもまだ半分も終わっていない…」という事態に陥ってしまう恐れもあります。

逆に、スケジュールを立てることで「いつまでに何を行えばすべての課題が完了するのか」がはっきりと目に見える形となります。それによって、「このままでは終わらないから実施する順番を変えよう」「明日は友達と遊びに行くから、明後日のテストの勉強は今日中に終わらせなければいけない」といった形で、適切な時間の使い方を検討することができます。

2.学習スケジュール作成そのものが、復習となる

学習スケジュールが大切である理由の2つ目は「学習スケジュール作成そのものが、復習となる」ことです。

スケジュールを立てるとき、最初にしなければいけないことがあります。それは「やるべきことの洗い出し」です。

たとえば、「教科書の10ページから25ページを読む」「問題集の30ページから35ページに取り組む」などですね。この洗い出しが不十分だと、勉強をしている最中に追加でやるべき課題が見つかり、スケジュール通りに完了するのが難しくなってしまいます。

そして、この「やるべきことの洗い出し」は、それ自体が学習内容の再確認・復習となります。なぜなら「何をするか」を正確に洗い出すためには、詳細かつ具体的に内容を確認する必要があるからです。

たとえば、数学のテスト勉強のスケジュールを立てるときをイメージしてみましょう。取り組むべき課題を洗い出すためには、「読むべきなのはどのページで、書かれてある問題に取り組まなければいけないのはどのページか」「問題は何問くらいあるのか」など、内容・分量など詳細に確認することになります。

さらに、単元や問題の難易度によって必要な時間は異なるため、具体的な内容も思い出す必要があります。このような確認を行う中で、学習した内容を振り返ることができる、ということです。

学習スケジュールを立てる中で「やるべきことの洗い出し」を行うことで、内容面の理解が深まった状態で学習に取り組み始めることができるでしょう。

スケジュールを立てるときのポイント

1.必要な作業を具体的にイメージし、時間を見積もる

次に、スケジュールを立てるときのポイントについてお伝えします。

スケジュールを立てるときのポイント、1つ目は「必要な作業を具体的にイメージし、時間を見積もる」です。

やるべきことを洗い出すときに「ページや問題数など具体的に」とお伝えしましたが、それだけではありません。「どの教材をやるか」だけでなく「実際にどのような作業をするか」まで細分化しないと、必要な時間は予測できません。

たとえば、「問題を解く:1時間」「丸つけをする:15分」「間違えた問題の直しをする:45分」「参考書の関連する部分を確認する:30分」といったイメージです。

問題集などに取り組むと、「思ったよりも時間がかかって終わらない」となることがよくあります。そのようなとき、取り組みのスピードが原因ではない場合も多くあります。実際は、最初に「やらなければいけないこと」を詳細にイメージしておらず、気づかないうちに時間を短く見積もってしまっている、ということも多いのです。

実際に学習する姿をイメージしながら、やるべき行動を書き出し、必要な時間を計算できるとよいでしょう。

2.勉強以外のスケジュールと合わせて記載する

スケジュールを立てるときのポイント、2つ目は「勉強以外のスケジュールと合わせて記載する」です。勉強以外、とは具体的には部活や趣味、友人との遊びの予定、学校行事などですね。

スケジュール帳に勉強の予定しか書いていないと、他の予定と重なったときに気づくことができません。「下校から夕飯までにこの課題をする」とスケジュールに書いておいても、「部活のミーティングがあるのを忘れていた。下校が遅くなり勉強ができなかった…」といったことが起こってしまうかもしれません。

このようなことを防ぐために、スケジュールは勉強とそれ以外を合わせて記載するのがおすすめです。

またスケジュールを統合することで、「学習の時間をしっかりと考えやすくなる」という効果もあります。他の予定と合わせて記載することで、たとえば「この日にやる」ではなく「この日の◯時から◯時でやる」といった形でスケジュールに記載することになります。こうすることで、実際に遂行可能なスケジュールかどうかをチェックしやすくなりますね。

3.変更や追加はすぐに反映する

スケジュールを立てるときのポイント、3つ目は「変更や追加はすぐに反映する」です。

突然の予定や小テストなどで、計画していた勉強ができなくなることがあると思います。また、やるべき課題が突然増えてしまうこともあるでしょう。そのようなときは、なるべく早くスケジュールの修正を行うのがよいでしょう。

時間が経ってしまうと、このような変更は忘れてしまいがちです。できればその日のうちに「どの日のどの時間に取り組むのか」を考え直して、スケジュールに書き込んでしまいましょう。

まとめ

今回は、学習スケジュールが大切である理由、スケジュールを立てるときのポイントについてお伝えしました。

最初から完璧なスケジュールを作るのは、非常に難しいと思います。しかし今回紹介したようなポイントを意識しながら取り組み続けることで、「何をすればよいかを正確に洗い出す力」「必要な時間を見積もる力」「スケジュールに適切に配置する力」が身についていきます。その結果、勉強を実行する力、そしてお子さんの学力にもつながっていくでしょう。

ぜひ、早い段階からチャレンジしていけるとよいですね。

執筆:杉本 啓太さん
家庭教師/家庭学習コンサルタント。
灘中高、東京大学を経て、外資コンサルティングファームに勤務。戦略コンサルタントと並行して、家庭教師として活動。その後、家庭教師として独立。2023年家庭学習コンサルティングを手掛ける株式会社ORA-Trio設立。
プロ家庭教師として、120人以上を指導。学科指導に加え、学習の計画策定・生徒の気質や性格面・親の関わり方など、抽象的な課題の対策立案・解決を得意とする。また、模試結果から子どもの癖・改善点を分析、アドバイスを行うサービスを展開。これまで250本以上の分析を実施し、成績向上・志望校合格に貢献する。

執筆・メディア出演
マイナビ「中学受験ナビ」連載
NewsPicks ビジネストーク番組OFFRECO など

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